意外と知られていない年賀状のマナー

 

 

 

 

年賀状は新年を祝う挨拶状で、新年を祝う言葉をもって挨拶し、旧年の感謝と新しい年に変わらぬ厚情を依願する気持ちを表すものです。日本では20世紀以降、やりとりが盛んに行われるようになりました。

日本ばかりではく中国・韓国・台湾にも似た風習があり、欧米においては1900年前後には同様に新年を祝う絵はがきを交換することが行われていたましたが、現在ではクリスマスカードやグリーティングカードで「クリスマスと新年の挨拶」を行うことが主流になっています。

年賀状は元旦(1月1日の朝)にいただくとうれしうものですが、本来は新しい年を迎えてから、年始の挨拶としてお世話になった方や友人を想い書くべきものです。「12月25日までに投函すれば元旦に年賀状が届く・・・」とテレビ等で宣伝される事もあり、多くの方が12月中に書いてしまう気持ちは十分に理解出来ます。ですが、年賀状で一般的によく使われる言葉で「新年明けましておめでとうございます」がありますが、これは新年が明けた事を祝った言葉なので旧年中に書くのは確かに現実的ではありません。また、年賀状に「壬寅(みずのえとら)年元旦」や「2022年元旦」等の落款(らっかん)を入れる方も多いと思いますが、これは「壬寅年の元旦の朝に書きましたよ!」という意味を表す言葉です。「元旦」は1月1日の朝を指します。例えば元旦に友人から年賀状を頂いたけど、自分は出していなかったので慌てて書く事もあるかと思いますが、1月1日の朝に返信を書けば「元旦」で構わないのですが、それ以降は「元日」や「吉日」「佳日」を使うのが正しい使い方となります。

また、返信時期の目安としては松の内期間の1月7日(関西では1月15日という地域もあるようです)までです。しかし旅行等で、松の内期間を過ぎてから年賀状が届いていたことを知った場合は「寒中見舞い」もしくは「余寒見舞い」を送るとよいでしょう。これらは喪中のために年賀状を送れなかった知人にも適切な方法です。立春(2月4日前後)までは「寒中見舞い」、立春を過ぎてから出す場合には「余寒見舞い」を送ります。地域による差はあるものの、1月8日以降に投函された年賀状には消印がついてしまいます。相手に失礼にならないよう、送る地域に関わらず、年賀状の返信は早めに送るようにしましょう。

最近はデジカメやプリンターの進歩により、手書きの年賀状が少なくなりましたが、私は書道を習い始めた小学3年生からは、毎年欠かさず毛筆で年賀状を書いています。当時の先生に勧められたのか、一緒に書道を習っていた母親に勧められたのかは記憶にありませんが・・・ 勿論当時は、今回述べてきたマナーなど知る術もなく書いて参りましたが、今は一年を締めくくる行事としてお世話になった方に心を込めて筆を執ります。そんな中で常に気をつけているのが、年賀状の裏書き(住所等が書かれているのは表書き)を見ただけで「いつ」「誰から」の年賀状かが分かる様に書く事です。先ほど述べた「落款」に自分の名前や雅号を書き印を押すだけなのですが、年賀状が一つの作品として完成される様に書く事で心を込めて書かざるを得なくなる為です。

難しく考えるとキリがありませんが、一年の感謝を込めて相手を想い、心込めて書く年賀状に皆さんも是非チャレンジしてみて頂けたらと思います。